「俺、未だに何で一色さんが何でなず姉と付き合ってるのか分からないんですけど」
そう、なず姉と一色さんは付き合っている。
父さんもそのことを知っているし、認めてもいる。
でも、謎で仕方がない。
男勝りで大雑把で大胆ななず姉に対し、一色さんは真面目で誠実で穏やかな人だ。
そんな人がなず姉と付き合ってるなんて意外すぎる。
「さぁ、何故かな?俺にも分からないな。ただ、一緒にいて楽しいよ」
一色さんはとうとう度が過ぎて父さんに拳骨を落とされたなず姉を見て、穏やかに笑った。
何で付き合っているか謎だ。
でも、それと同時にこの人以外になず姉と付き合える人がいるとは思えなかった。
「……なず姉を末永くよろしくお願いします」
結婚する姉を託すような言い方に、一色さんは苦笑いを浮かべながらも「分かっているよ」と言ってくれた。
確信は無いけどなず姉とこの人が結婚する姿を俺は見られない気がする。
だから、今しっかり伝えておこうと思った。



