同じことを何度も言ってくる翔平の言葉を適当に流しながら歩いていると、翔平のアパートに着いた。



俺は酔っ払いを抱えながら階段で二階に上がると、いつものように翔平のポケットから鍵を出して部屋を開ける。



ワンルームの部屋に上がり、電気をつけると翔平をベッドに放り投げた。



「おぉー、此処はマイルーム!ただいま帰ったぞー」



ベッドの上で寝転がったままビシッと手を上げている翔平に呆れながら、俺は帰ることを伝えて部屋を出た。



鍵を閉めて、その鍵をポストから中へ入れると翔平のアパートを後にした。



「翔平、明日覚えてないんだろうな……」



俺がこんなに甲斐甲斐しく世話をしてやっても、世話をされた奴は微塵も覚えていない。



腹立たしいから世話をしてやるのを止めようと思ったが、世話焼きな性格が災いしてつい世話をしてしまうのだ。