「またクセの強い奴が出てきたな」
「君も人のこと言えないからね、才暉」
すると、いつ現れたのか羽取さんと一飛さんがダイニングの椅子から俺達の方を見ていた。
気配を感じないとか、忍者じゃん。
いや、忍者か。
一人で心の中で突っ込んでいると、アリスさんが二人の方を見た。
「お帰り、二人とも。摂紀の様子はどうだった?」
二人はアリスさんの命令で、衝撃的な事実を知った玖下さんの様子を見に行っていた。
「思ったよりも普通だったな。寧ろ、何か納得したような顔をしてたぜ?自分達に人殺しの才能があった理由が分かったってな」
「でも、その普通を保てたのは依良様の言葉のお陰だよね。あそこで依良様が摂紀の嫌う母親と切碕に似ていないと否定したから」
玖下さんが泣いていたのはそういうことか。
嫌いな人と似ていると言われるのは苦痛だ。
でも、理事長は否定した。
それに玖下さんがどれだけ救われたかは流れた涙が物語っていた。



