「それより、またアリスちゃん達の反感を買ったみたいね。貴方、訳ありの子達ばかり集めて何がしたいの?」





切碕の仲間達は訳ありが多い。





親に愛されなかった者、恋人に売られた者、男なのに女になることを強要された者、親の愛情が重すぎた者達、人を殺すために生み出された者達──。




それぞれがこの世に絶望し、恨んでいる。





幸せの者と不幸の者の差が激しいこの世を──。





「……僕はただ彼らの手助けをしているだけだよ」




「手助け?」




「この世は非情だ。助けを乞う者に手を差し伸べられることはない。見捨てることはしてもね。僕はそんな子達を助ける為に力になってるんだよ」




切碕は赤い目を閉じ腕を組むと、壁に寄りかかった。