自暴自棄になって暴れて、母さんに罰として鎖で繋がれたあの日──。
私は傷だらけで無気力に俯く朱鷺にこう告げた。
『存在を認められないならそれをプラスに考えれば良い。君は彼らと違って誰にも縛られてない、言わば自由の身なんだよ』
『自由……?』
自由という言葉に、朱鷺は眉をひそめた。
私は手当てされずに放置された朱鷺の怪我を治療しながら言葉を続けた。
『そう。でも、それでも認めて欲しいなら私が認めるよ。この藤邦アリスがね』
『アンタが?俺を?』
『そうと決まれば、名前が必要よね』
『聞いてねぇし』
『あ、そうだ!風間!風間朱鷺!」』
『風間……朱鷺……?』
『≪風の間を飛び回る鳥≫……。それくらい自由なんだよ、朱鷺』
『風間朱鷺……。俺の……名前……』
朱鷺は私が勝手につけた名前を呟くと、静かに涙を流していた。



