「さっさと捕まえて、死刑台に送りたいのは山々だけど奴は神出鬼没。捕まえるには骨が折れる」
何年か前にも奴がこんな事件を起こしていたが、警察も≪うちの奴ら≫も取り逃がしている。
捕縛するために動員した警察も≪うちの奴ら≫もかなりの人数だったけど、あまりにも殉職者が多かったためそれは打ち切りとなった。
それから昨日の事件が起きるまではナリを潜めていたようだったけど、再び奴は動き始めた。
つまりは──。
「奴を捕まえない限り止まらない。これ以上被害者を増やさない為には早急に奴の捕縛をしなくてはな」
私の考えを読み取ったように、小鳥遊さんは苦虫を噛み潰したような顔で言った。
理解が早くて助かるね。
でも、奴の捕縛と同時に、私達には手を打たなくてはいけないことがある。



