「それで、何の用?OL惨殺事件の捜査であたしも父さんも忙しいんだけど」
「私もそれに協力してるけどねー」
飄々と言ってのけるとなっちゃんは青筋を頬に浮かせていて、その彼女の隣では父親で現場の責任者の小鳥遊星司がため息を吐いていた。
「おちょくるだけで呼んだなら帰る」
なっちゃんはとうとう怒って、屋上から出ていこうとする。
「≪あの男≫が動き始めてる」
そんな彼女の背中に向けて言えば、屋上から出ていこうとする足を止めて私の方を振り返った。
苛立っていたはずのなっちゃんの顔には戸惑いと悲しみが浮かんでいる。
「それは確かなのですか、藤邦様?」
「この手口、あの残虐なやり方はかの殺人鬼から作られた奴のやり方に間違いない」
あの殺人鬼から作られただけあって、手口が良く似ている。
何人もの娼婦を殺した手口に──。



