翌日。
俺はまた切碕潮のいる藤邦の研究施設を訪れていた。
「……ったく、何処に行ったんだ?」
いると踏んでいた部屋には居らず、前にいた木の下にも切碕潮の姿はなかった。
あー、面倒臭いな……。
「君が小鳥遊星司?」
ふと、背後から声をかけられた。
と同時にぴりりとした殺気を感じる。
声がした方を振り向けば、切碕潮に似た面影を持つ青年が立っていた。
似ていると言っても、青年の目の色は切碕潮と違って燃える炎のように赤い。
「誰だ?」
「初めまして。僕は切碕ヒカリ、切碕潮の弟だよ」
切碕ヒカリと名乗った青年は赤い目を細めると、妖艶とも取れる笑みを浮かべる。
でも、その笑みは何処か恐ろしさが感じられた。



