「悪ガキだったくせに吸わねぇってか」
「話を反らさないで下さい」
赤瀬さんはヤンチャだった頃の俺を思い出したのか肩を揺らして笑っている。
でも、俺が睨み付ければその顔から笑みが消えた。
「俺がお前を推薦したのは特に理由はねぇよ」
理由がない?
意味が分からない。
理由がないなら俺じゃなくたって良いだろうに。
「理由はねぇ。だが、お前と彼女を会わせて一つだけ確信があった」
「確信?」
「お前なら彼女を分かってやれるってな……」
赤瀬さんはそう悲しげに言ったきり、何も言わなかった。
俺なら分かってやれるって何をだ?
疑問は多く残るが、俺は信頼する先輩刑事の推薦を受け、切碕潮の監視役に任命された。



