「切碕様……」 「莉瑚はアリスちゃんが嫌いかい?」 切碕は近くに来た莉瑚に、見ている本から視線を外さないまま問う。 「嫌いよ、天河の傍にいる女は皆嫌い」 「そう。でも、アリスちゃんは殺したらいけないよ」 彼の言葉に莉瑚の顔つきが変わる。 「何で駄目なの!?あの女は──」 「僕の邪魔をしてるって?」 切碕の紅い瞳が莉瑚を捉えると、莉瑚はそれ以上言葉を紡げなかった。 彼の纏う空気が変わったからだ。 それを殺気だと分かった時、莉瑚は一歩後退る。