薄い光が入り込む廃屋。
そこにいるのは切碕一派。
「あー、ホントに三名家の奴ら邪魔くせぇ!全然殺れなかったじゃねぇかよ」
苛立ちながらテーブルを蹴飛ばす黛に、楊蘭も賛同するようにまだ髪が入れられていない人形を床に叩きつける。
「妾の可愛い人形が作れなかったではないか!ああ、殺し足りぬ……ッ!」
「「「楊蘭と黛ー、落ち着きなよー!切碕に怒られるよー!あたしらだって、殺りたかったんだからー」」」
「三つ子達。貴女方もお静かに」
声をハモらせる三つ子に、明晴が人差し指を唇に立ててそっと声をかける。
「何なの、あの藤邦アリスって女は….。ホントに邪魔。それに、何で知栄があっち側に……」
その呟きに、黛達の視線が一人の若い女を捉える。
若い女──、莉瑚は苛立ちをぶつけるように自分の親指の爪をガリガリと噛んでいる。
「あの女さえいなければ、天河は……」
「莉瑚、こっちへおいで」
そんな莉瑚をベルベットのソファーに寝転がる切碕が呼んだ。
莉瑚は呼ばれるがまま、切碕の元へ行く。



