そして、私が15歳になった秋。
お母さんは今まで体が弱いのに無理して働いたことが祟ったのか、病で倒れてしまった。
末期の乳ガンだった。
病院のベッドに横たわるお母さんは見るのも辛いくらい痩せ細っていた。
そんなお母さんを見た父親はこんなことを言った。
『おいおい、お前が倒れたら誰が金を稼ぐんだよ?まさか、俺じゃないよな』
誰よりも健康なはずの父親。
それなのに、何故仕事をしない?
世の中には五体不満足でも懸命に働いている人もいるというのに。
お母さんが倒れたことにより、我が家の収入はお姉ちゃんの給料だけになった。
私もお姉ちゃんを見習って中卒で働こうとしたけど、お姉ちゃんに止められた。
『私がやれなかったこと、知栄にはやらせてあげたいの』
お姉ちゃんは疲れた顔で笑いながらそう言った。



