「嫌、退けない!」
「退けよ!」
「嫌!」
なかなか退けようとしない柳に苛立ったギャルっぽい女の子は逆上し、彼女に平手打ちをした。
「柳!」
俺はバランスを崩した柳を支えると、ギャルっぽい女の子を睨み付ける。
「あんたが悪いんだろ!あんたがさっさと捕まればこんな風にはならなかったんだよ!」
「……っ!」
それもそうだ。
俺がさっさと捕まれば、こんなことにはならなかった。
女の子に痛い思いをさせてまで守られることもない。
『力を貸してやろうか?』
また≪僕≫が脳裏に語りかけてきた。
お前の力なんて借りない、人殺しになんかなってたまるか……。
『良いのか?僕が力を貸さないと大事な友達が酷い目に遭うことになるが?』
分かってる!
でも、俺は──。



