「もう……飲み込まれそうだ……」
無意識に吐いた弱音を待っていたというかのように、閉めていた教室のドアが開いた。
そこには数人の男女がいて、ぎらついた目で俺を見ていた。
「見つけたぞ、小鳥遊。さっさと捕まって、俺らを解放しろ!」
数人のうち、男の二人が同時に俺に襲いかかってきた。
「逃げろ、天河!」
和泉が叫んでいたけど、俺はもう逃げようとも思わなかった。
俺はせっかく、味方だと言ってくれた友達を、和泉を疑った。
そんな奴を守ろうとする義理なんてないはずだよ、和泉。
捕まって、切碕の前に突き出されるこれからを悟りながら二人の男子学生を見ていた。
でも、その二人の後ろに見えた人影に俺は目を見張った。
「てめぇら、俺の親友に何するんだ!」
翔平の怒鳴り声が聞こえたかと思えば、二人の男子学生は莉瑚の横殴りの蹴りと翔平のパンチで延びた。
教室の入り口付近では柳が箒片手に見ているだけの残りの男女を睨み付けている。
「大丈夫か、天河!まったく、何でお前、殺人鬼に名指しされてんだよ!?」
翔平は男子学生を殴った拳が痛かったのか、ヒラヒラと横に振っている。



