「カウントするからゼロで逃げるんだよ?」
「玖下さんは……?」
「僕はこの愚か者共にお仕置きしてから行くよ。なぁに、外にいる10人くらい昏倒させるのなんて簡単だよ」
玖下さんは準備運動するかのように、腕をぐるぐると回している。
「さあ、行くよ」
「天河、窓に足をかけて。ゼロで窓を開けるから真っ先に外に出ろ」
和泉は窓の傍に近付くと、俺を真っ先に逃がすために俺に窓の桟に足をかけさせる。
「5……4……3……2……1……」
ドアと窓が軋む。
「0!──行け!」
と同時にドアと窓が開け放たれ、俺は外に飛び出した。
一階だったから着地は簡単だったけど、後ろから呻き声が聞こえて振り返った。
そこでは玖下さんが10人くらいの人を一撃で昏倒させていた。



