「……ホント、翔平君って色々と残念だよね」





すると、莉瑚が呆れたように呟いた。




まあ、それは俺も同感だな。





それよりも俺は莉瑚に聞くことがある。





「なあ、莉瑚」




「何?」




「お前、夜何処に出掛けてるの?江莉子さんが心配してたぞ」





俺の質問に莉瑚は一瞬険しい顔をしたけど、すぐに笑みを浮かべた。





「実はお母さんには内緒でバイトしてるんだー」




「夜のバイトって変なのじゃ──」




「天河が思ってるようなバイトじゃないよ。あたしはただあの人の手伝いをしているだけだから」




あの人?



莉瑚のいう≪あの人≫に違和感を覚えた。




夜に≪あの人≫の手伝いなんて、どんなバイトだよ?




問い詰めてやりたいけど、きっと莉瑚は上手く交わして真実を話さないだろう。




「江莉子さん、心配してるからバイトしてるって言って安心させてやりなよ」




「おっけー!」




某タレントのように頬の辺りで親指と人差し指で丸を作る莉瑚。




……ちゃんと言うか心配だ。