「まあ、私もある程度は護身術を習ってるから大丈夫」
親指をグッと立てて、ウインクを飛ばしてきたアリスさんにも何故か鳥肌が立った。
何か、アリスさんの護身術も恐ろしい気がするのは気のせいだろうか?
あ、そういえば、前にナイフ持って襲ってきた子供を捩じ伏せてたな……。
俺は藤邦の研究所の時のことを思い出して、鳥肌が立った腕を擦った。
「コトリ君」
「?」
「──運命は残酷だよ。でも、君はそれに負けちゃいけない。受け入れないといけない。立ち向かわないといけない」
突然の真剣なアリスさんの言葉に、俺は頭を傾げるしかなかった。
運命は残酷なのは俺の身体のことを知った時点でもう知っている。
負ける気はないし、受け入れることも立ち向かう覚悟も出来ている。
でも、その覚悟を歪めてしまう残酷な真実がまだ潜んでいた。
この時、アリスさんだけは隠された真実を知っていたなんて俺は気付いていない。
知っていて言わなかったのは俺がその真実を受け入れられないと分かっていたからだろう。
実際、その真実を明かされた時、俺は受け入れられなかった。
でも、その真実を知るのはもう少し先のこと。



