え、江莉子さん……、藤邦の跡取りにそんなことしたらヤバイって……。
そんなことを心の中で感じていると、「朽月江莉子、しかと覚えたよ……」ドスのきいたアリスさんの声が後ろから聞こえた。
あぁ、早くこの雰囲気から脱したい……。
「最近、莉瑚と遊んでる?」
「莉瑚と?ええ、一昨日一緒に買い物に行きましたけど……」
「夜は遊んだりしてる?」
「いや、夜は……」
夜は基本的に家にいてアリスさん達と過ごしたり、レポートをやっているから遊んでない。
でも、たまに翔平達と共に飲み会をしたりしてるけど最近はしていない。
「そう……」
「莉瑚、何かしたんですか?」
「最近、夜出掛けてるみたいなのよ。物騒だから出歩くなって言ってるんだけど……。本人に聞いても誤魔化されるし」
江莉子さんは心配そうに頬に手を当てる。
女手一つで莉瑚を育てる江莉子さんは母であり、父でもあろうとしている。
だから、莉瑚を厳しく育てている。
それに、多少?礼儀にかける莉瑚だけど、親の言うことはちゃんと聞く奴だ。
そんな莉瑚が親に内緒で出掛けるなんて何かあるに違いない。
「……ふぅん、やっぱりね」
ふと、アリスさんが確信したかのように呟いた。
それを聞いた江莉子さんは怪訝そうに、彼女を見た。



