「明晴」
アリスさんと会話する安倍明晴を母さんは嗜めるように呼ぶ。
彼も母さんの言葉に、口をつぐんだ。
「天河、琴梨ちゃんが殺されたみたいね」
「……母さん達が殺したんじゃないの?」
「私達だけど、私達じゃないわ」
母さんの意味不明な発言に、眉間にシワが寄る。
母さん達であって、母さん達じゃないってどういう意味だよ?
「小鳥遊潮」
そんな疑問を母さんにぶつけようとしたら、アリスさんが母さんを呼ぶ。
「……今回の殺人事件、切碕が≪新しく手に入れたオモチャ≫の犯行かな?」
「さぁ?どうかしらね……」
母さんは俺によく似た目を細めると、身を翻して安倍明晴と共に消えていった。
「アリスさん、今の言葉って──」
アリスさんに視線を向けると、彼女は面倒臭そうに髪をかきむしっていた。
そして、深々とため息を吐く。



