「母さん……?」
そこに立っていたのは母さんと切碕の仲間の獣耳の男だった。
「白昼堂々と何の用かな、小鳥遊潮。それと──」
アリスさんは挑発じみた笑みを浮かべながら、母さんと獣耳の男を見た。
「──と、誰だっけ?」
彼女の言葉に母さんは苦笑い、獣耳の男は人の良さそうな笑みを浮かべていた。
「初めましてですかね、私は安倍明晴。あなた方が生み出した作られた人間ですよ」
獣耳の男──、安倍明晴の言葉に、アリスさんの眉がピクリと動いた。
「……脱走者リストに切碕と一緒に乗ってたな、その名前」
「大変記憶力が宜しいようで。その様子ですと、その他のリストも頭に入っていそうですね」
「私は一般人とは頭の出来が違っていてね、一度見たものは忘れないし、あんなリストくらい覚えられる」
……アリスさん、その天才発言嫌味ですか?
リスト?と言うものがどれくらいあるかは分からないけど、藤邦が管理するモノだ。
とんでもない量に違いない。
それを覚えているということはアリスさんはやはり天才らしい。



