「分かってたよ……。こんなことを言っても天河君が私とよりを戻すことは無いって」
琴梨さんは涙が滲む目を伏せると、ストローでアイスティーの氷をカラカラと回した。
「琴梨さ──ッ!?」
ふと、琴梨さんの後ろに見慣れた髪型の人影を見つけた。
「どうしたの?」
俺はおもむろに立ち上がると、琴梨さんの後ろの席に回り込む。
そして──。
「アリスさん、何やってるんですか?」
見慣れた髪型の人影──、アリスさんに声をかけた。
アリスさんは俺の姿に苦笑いを浮かべる。
「き、奇遇だね!いやー、パフェが食べたいと思って入ったらまさか、コトリ君がいるんだもん。びっくり」
「へぇ、奇遇ですか。なら、その手に持ってるスマホの画面は何ですか?俺の位置情報が出てますよ」
アリスさんが持っているスマホには俺の位置情報が出るようになっている。
「え、今は位置情報なんて──あっ!」
誘導尋問、成功。
「……やっぱり、つけてきたんですね。莉瑚の姿が無いところを見ると、先に帰しましたか」
俺はため息を吐くと、アリスさんを見た。
「何でつけてきたんですか?彼女は安全ですよ」
「それは分かってる。でも──」
アリスさんは俯いて、唇を噛んだ。
普通であれば、少女漫画的な展開で「だって、元カノがどんな人か気になるじゃない。私は君が──」なんて期待したい。
でも、相手はアリスさん。
それはまずない。
むしろ──。



