「付き合ってたのは多分二年前くらい、高校生の頃かな?」




「………………」





「歳は……一つ上。学校の先輩だね」




「……何で分かるんですか?」




アリスさんの言うことは当たっている。





俺は二年前まで一つ上の先輩と付き合っていた。



でも、学生と社会人という事ですれ違いが起きて自然消滅という何とも跡見の悪い別れ方だった。



「コトリ君、私を舐めちゃいけないよ」




アリスさんはクスリと笑って、白く綺麗な指をこめかみに当てる。




そうだ、アリスさんの天才的頭脳のことを忘れていた。




凡人の俺には分からない難しい知識を詰め込まれた彼女の頭脳だったら、ちょっとした俺の表情の変化で気付いたのかもしれない。





それに、彼女は探偵。




こういったことを調べるのはお手の物なのだろう。




「で、その人とは何処まで?」




すると、アリスさんは俺の肩に手を乗せて、意地悪そうな笑みを浮かべた。




「~~~~!内緒です!」




「隠したって私にはお見通しだよー。きゃー、コトリ君ったら実はオオカミだったんだねー」




「だから、何で分かるんですか!?」




「ほらほら、そうやって自分で墓穴掘る」





「!?」




誘導尋問……っ!?