断罪アリス



「風間さ──」




風間さんに声をかけようとしたら、会場にワッと歓喜の声が上がる。




来賓が向ける視線の先には理事長とその隣には綺麗な女の人がいた。




どうやら、あの人が理事長の婚約者らしい。




……美男美女とかもう止めて欲しい、平凡な俺が余計に霞む。




それからすぐに婚約者さんの紹介があり、理事長の手短な挨拶で再びパーティーが再開される。




「周、アリス」



すると、理事長が婚約者さんを連れて、アリスさん達の元へやって来る。




「おう、依良。やっと結婚かよー」




「離れてる間に冬雪ちゃんの心が離れてかなくて良かったね。こんな五年も迎えに行かない男の何処が良いんだか」




お祝いムードだと言うのに、アリスさん達の口から発せられるのは理事長が怒りそうな弄るような言葉だ。




でも、理事長は怒る様子はなく、穏やかな眼差しで隣の婚約者さんを見ている。




「五年も離れていたからこそです。離れていた時間が長かっただけ今、とても幸せです」




そう答えたのは理事長じゃなくて、婚約者さんだった。




「冬雪ちゃん、めっちゃ健気!俺も嫁に欲しい!」




「ねぇ、やっぱりさ、冬雪ちゃんは依良には勿体ないんじゃない?出来すぎてるよ。引きこもりだったボンボンには勿体ないよ」




「アリス……、周……」




アリスさん達の言葉に、理事長の顔には青筋が浮かんでいる。