「あ、いた!アリスー」
ふと、アリスさんを呼ぶ男性の声が聞こえた。
声がした方を見れば、見たことのない男性がいて、こちらに向かって人を避けながら歩いてきた。
そんな彼をアリスさんは一瞥すると、空になったウェルカムドリンクのグラスを置いた。
「目立つから名前呼ばないで、周」
周?
もしかして、この人って……。
「何だ、今更それを言うのか?この場にいて藤邦の跡取りのお前と寿永の跡取りの俺の顔を知らない奴がいたら、そいつはもぐりだ」
周と呼ばれた彼は呆れたように片眉を上げると、周りを見渡す。
周りにいる来賓の視線は二人に向けられている。
それは一種の崇拝の眼差しだった。
やっぱり、この人は寿永の跡取りだったんだ。
すると、周りを見渡す彼の視線が俺を捕らえた。
「あ、君が噂のコトリ君?確か初めましてだよな、俺は寿永周、アリスとは腐れ縁の幼なじみだ」
寿永さんは一重のキリリとした瞳を俺に向けてくると、微笑を浮かべる。
うわ……、イケメン悩殺スマイル。
何で、三名家って容姿が整ってんの?
そういう遺伝子が人工的に組み込まれてんの?



