何か疲れた……。
最近、精神的なダメージがキテるのか疲れやすくて仕方ない。
頭痛もするし、変な感じがする。
「夕飯の支度でもするか」
痛む頭をとんとんと叩くと、冷蔵庫から茄子と生姜を取り出す。
今日は生姜を効かせた茄子の揚げ浸しを作ろう。
揚げるときに少なめの油で揚げて、生姜が効いたタレに浸ければ暑い夏でもさっぱり食べられるし。
シンク下の戸棚から包丁を出して、生姜の皮を剥いていると。
「つっ……」
普段なら滑らせない手を滑らせて、指を切ってしまった。
傷は浅いようだけど、切れた所から真っ赤な血が出てきた。
──ドクン。
血を見た途端、胸が大きく鳴った。
『もっと見たいだろ?自分の血じゃない、他人の血を』
頭に直接≪俺≫の声が流れ込んでくる。
うるさい、黙れ。
『見たいだろ、他人の血を』
そんなもの、見たいわけがないだろ。
『自分に嘘をつくなよ。見たいなら俺と代われよ』
その声と共に意識が遠くなっていく。



