「俺は──」
「なぁんてね」
彼はニコッと笑うと持っていた苦無の持ち手の輪に指を引っ掛けて、くるくると回した。
「僕が殺したら、アリスに僕が殺されるよ。それに、君はアリスと約束事があるみたいだしね」
「!?」
射るような一飛さんの眼差しに、俺は息を飲む。
もしかして、一飛さんは俺の考えていることを読んでる?
いや、それは無いはずだ。
でも、仮にそうだとしたら──。
「約束を守らなかったら、アリスさん怒りそうですね」
これ以上、この話を続ければ何処で墓穴を掘るか分からない。
俺は苦笑いでそう言うと、逃げるようにキッチンへと向かった。
「アリスがキレるとヤバイから気を付けなよ。天河君」
一飛さんはクスクスと笑うと、テレビをつけて再放送のドラマを見始めた。



