「どうぞ」
「ありがとう。冷たくて、美味しい」
子供のように笑う一飛さんを見ているとこっちまで笑顔になる。
「一つ聞いても良いですか?」
「んー?」
「和真さんはアリスさんのことを愛していたんですよね?アリスさんは……」
俺の言葉に一飛さんは持っていたグラスを置いて、お茶菓子の一口ようかんの包みを開けて口に放り込む。
「……愛してなかったら、君や切碕を殺そうとなんて思わないよ」
「ですよね……」
「でも、アリスがそれに気付いたのは和真が死んでからだよ。和真が死んでからアリスにとって、和真がどれだけ大切だったか彼女は知ったんだ」
その時のアリスさんの様子を思い出したのか、一飛さんはようかんの包みをぐしゃりと握り潰した。
そして、彼は視線を俺へと向ける。
眼鏡の向こうの眼光は鋭く、さっきまでの穏やかそうな眼差しとは正反対だ。
「……此処で僕が君を殺してあげようか?」
一飛さんはいつの間に取り出した苦無の切っ先を俺に向けている。
……やっぱり、この人も風間さんと同じなんだ。
≪狩る≫側の人間なんだ。



