「あー、こんなことしたらなず姉に殴られそう」
俺はハサミを持つ手をソファーの上に置くと、ソファーに寄りかかり反対側の手を額に乗せた。
まあ、その時には殴られる痛みは感じないだろうけど……。
でも、この世にいらない危険分子を消し去るにはこれが一番手っ取り早い。
「これが俺の運命なんだよな……」
普通に生きてきたはずなのに、今はもう死を与える鬼にいるなるのかと怯える毎日。
その毎日が終わるなら俺は何も怖いものはない。
ただ、心残りなのは──。
「父さん達と働いてみたかったな……」
もう叶うはずのない夢だけどな。
俺は目頭が熱くなるのを感じながらソファーの背もたれに体重を預け、目を閉じた。
大丈夫、今はまだ目を開ければ光が差し込んでくる。
今はまだ──。



