「───っていう昔話なんだけどね」
話終えたアリスさんは凄い悲しそうな顔をしていた。
彼女には一つ下の婚約者がいて、切碕に殺されている。
しかも、切碕の本名がヒカリというね。
すると、アリスさんが握るハサミが再度俺の方へ向けられる。
「……君には直接的な恨みはないけど、君は奴と同じモノを持っている。だから、目覚める前に私が君を殺す」
俺は自ら死ぬことが出来ない。
なら、今此処で彼女に殺してもらった方が良いのかもしれない。
俺を殺すことで彼女が救われるならそれでいい。
でも──。
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