後ろから朱鷺が名前を呼んできたけど、振り返ってる暇も答える暇もない。
一刻も早く和真のいる場所に向かわないといけない。
そうじゃないと、和真が殺される。
私は和真のいる場所──、藤邦の研究室の最深部である失敗作と言われる者達が眠る水槽へと急いだ。
「和真っ!」
そこに着くなり、たくさんある水槽の中から和真の姿をくまなく探す。
そして、和真の姿を見つけた。
私が和真を見つけたのは水槽の中ではなく、広大なその部屋を見渡せる通路でだった。
しかも、和真は一人ではない。
「どういうつもりなの、ヒカリ?」
そう、和真と共にいるのは赤い目を持つ男──ヒカリだった。
「どういうつもり?君なら送ったメールで全てを知っているはずだよ」
「知っているから聞いてるんだよ。何で、和真を殺す必要がある?」
私の問いに、ヒカリは和真の首にナイフを当てながら嘲笑った。



