今のは何だったのだろう?
今、無性に和真の手を離したらいけないと思った。
離したら、二度と逢えない──。
そう感じた。
「……気のせいだよね」
自分にそう言い聞かせて、和真とは逆方向に歩き出した。
きっと気のせいだ。
もう二度と和真に逢えないなんてあり得ない。
そう思っていたいのに、胸がざわつく。
脳裏でヒカリの言葉が何度も繰り返されている。
『……次は君が絶望する番だよ』
その言葉の意味がこの時は分からなかった。
でも、その意味を知った時。
私は残酷すぎる現実を目の当たりにすることをこの時は思っても見なかった。



