「……あのさ、お姫様とか止めてよ。鳥肌が立つ」
「でも、アリスが藤邦の姫様(ひいさま)なのには変わり無いからね」
「………………」
確かに藤邦の人間は私をお嬢様じゃなくて、姫様って呼ぶけどさ……。
何か和真のいうお姫様は意味が違う気がする。
私はため息を吐くと水槽の前から立ち上がって、そこを後にする。
もちろん、後ろからは和真がついてきている。
「そういえば、彼は元気?」
「彼?ああ、朱鷺?何とかまあ、元気だよ」
「なら、良かった。それにしても、アリスは≪作られた人間≫達になつかれるね」
和真の言葉の意味が分からず、頭を傾げると彼はプッと吹き出した。
「頭は良いのに鈍感だね、貴女は」
吹き出しておきながら、肩を揺らして笑いを堪えようとする和真に無性に腹が立った。
コイツ、年上を馬鹿にしてる……?



