「……こんな実験をしなくたって良いと思わない?犯罪者を殺すだけの人を作り出すなんて、やっていいことじゃない」
私は両親の……、日本政府がやっていることが許せない。
別に両親が嫌いな訳じゃない。
ただ、人の命を道具のように扱うことが許せなかった。
すると、頭をポンポンと叩かれた。
「アリスは優しいね。俺は貴女のそんなところが好きだよ」
和真は穏やかな笑みを浮かべながら、私の顔を覗き込んできた。
でも、そんな彼の手を私は煩わしく感じ、振り払う。
「子供じゃないんだから頭をポンポンしないで。年下のクセに生意気ね」
睨み付けると「おやおや、随分不機嫌だね。うちのお姫様」と笑っていた。
私は和真が嫌いだった。
私のことは何でもお見通しで、心の何処かで欲しいと思っている言葉を言ってくれる。
そんな彼が嫌いで、好きだった。
でも、好きだなんて面と向かっては絶対に言わない。
恥ずかしいのもあるけど、何より年下の彼に主導権を握られるのが嫌だ。



