「はは……、俺って本当に殺人鬼の血を引いてるんだな……」
乾いた笑い声が漏れた。
このままこの本能が目覚めたら、俺は誰かを殺してしまう。
そんなの駄目に決まってる。
人を殺してなくなんか無い。
人を殺すのが本当の俺ならそれが目覚める前に……。
俺は寝ていたソファーから立ち上がると、棚にあったハサミを手に取った。
ハサミを逆手に持つと、それを喉へと突き立てた。
──はずだった。
「何で、刺さんないんだよ……」
ハサミは喉に刺さる寸前で止まっていて、どんなに力を入れてもそれ以上は進まない。
「止めなよ、コトリ君……」
すると、リビングの入り口にアリスさんの姿を見つけた。
アリスさんは俺に近付いてくると、ハサミを俺の手から奪う。



