そんな彼女の姿を切碕は薄目を開けて、見ていた。




その目は全てを見透かしているようで、嫌だ。




口角が持ち上げられると共に紅い双眸が再び閉じられた。




──さて、どうしようか?




動かせる駒は多い。




邪魔物を駒を使ってさっさと消してしまうのが手っ取り早いが、それでは面白くない。



でも、彼は早く欲しい。




とはいえ、彼はまだ≪目覚めていない≫。




ならば、彼が目覚める為にじわじわと追い込もうとしようか。




まず、手始めに……。




君の大切な人達を奪うとしようか……。