「……アリス、まだ彼のことを──」
「それじゃあ、私達帰るから。あんまり他の研究員達をいじっちゃダメだからね」
「気を付けるんだぞ、愛娘よ。それに、いじるのは私の趣味だ。止められん」
えっへんと胸を張る智さん。
さっき、アリスさんと智さんは似てないと言ったけど、前言撤回。
この二人は正真正銘の似た者父娘だ。
俺は先に歩き出したアリスさんの後を風間さんと一緒に追いかける。
「風間さん、質問していいですか?」
「俺が答えられるものならね」
「さっき、智さんが言ってた≪彼≫って誰ですか?それに、切碕も言ってましたよね?」
俺の質問に風間さんはピクリと身体を揺らした。
「……話してあげたいけど、アリスが嫌がる。本人が話すべき時が来たら教えてくれると思うからそれまで待ってて」
口ぶりからして、彼は≪彼≫のことを知っている。
でも、アリスさんから話すことを止められているようだ。



