「──っ!?」 身体を揺すられて、弾けるように飛び起きると頭を何かにぶつけた。 「「いっつ……」」 俺の呻き声にもう一つ呻き声が重なる。 痛む額の痛みに堪えながら顔を上げると、そこには顎の痛みに悶えるなず姉こと、姉の七砂の姿があった。 「なず姉?」 「こンの石頭!魘されてるから起こそうとした姉に頭突きとはいい度胸だな、天河(テンカ)!」 「俺、魘されてた……?」 「……あぁ。嫌な夢でも見たのか?」 なず姉の問いに、俺は黙った。