「なっちゃんや小鳥遊さんを責めちゃ駄目だよ。あの二人も君が本当にジャック・ザ・リッパーの血を引いてるって確信がなかったんだ」
「?」
「君は切碕のようなあからさまな犯罪思想を持っていなかった。逆に犯罪を嫌っていた。だから、生まれたときのDNA鑑定が嘘であることを信じて、君には話さなかったんだと思う」
現代に置けるDNA鑑定の技術はほぼ間違いはない。
でも、俺が生まれたのは20年前だから今よりも技術は劣っていたかもしれない。
二人はその技術を疑い、俺自身の性格を見てくれていたらしい。
俺は殺人鬼にならなくて済むと安心した。
「でも、君は小鳥遊潮の息子。間違いなくジャック・ザ・リッパーの血を引いてる。それに、切碕も最初から殺人思想を持っていた訳じゃないんだ」
安心した矢先に、彼女の言葉に肩が揺れた。
「奴もキッカケがあったんだ。そのキッカケが奴の中に眠っていた殺人思想を呼び覚ました」
アリスさんはそのキッカケを思い出したのか、血が滲むんじゃないかって思うくらい唇を噛んだ。



