切碕は母さんをその冷たい紅い瞳で睨み付けると、身を翻した。
そして、視線だけを俺の方へ向けてきた。
「今日のところは去るとするよ。でも、君は必ず僕達側に引き込む。どんな手を使ってでもね……」
紅い瞳に睨まれるだけで全身に悪寒が走る。
切碕は前を向き直ると、その場から一瞬にして姿を消した。
「また会いましょうね、天河」
「母さん……っ!」
母さんは口をパクパクと動かすと悲しそうに笑い、切碕の後を追って他の仲間達と消えてしまった。
「待て!」
消えた母さん達を羽取さんと佐滝さんが追いかけて、窓から出ていった。
「母さん……」
声に出ていなかったから母さんが何て言っていたから分からない。
でも、何で母さんは悲しそうな顔をしていたのだろうか?



