「何で、母さんが此処にいるんだよ?」



何で、母さんは此処にいる?



何で、切碕なんて殺人鬼と一緒にいる?



疑問ばかりが浮かんできて、頭は混乱していた。



「あら、彼女から何も聞いてないのね」



母さんは目を細めて、俺の隣にいるアリスさんを見ていた。



アリスさんはこの事に関して何か知っている?



そういえば、彼女は……彼女達は俺に何かを隠している素振りをしていた。



彼女達がこの事を知っていて、隠していた。




でも、彼女達が隠そうとしている真実は母さんが切碕の仲間とかそういうことじゃない気がする。



もっと俺のこれからを左右するような重大なことを隠されている気がした。




「アリスさん、何か知ってるんですか?」



俺が声を震わせながら問うと、アリスさんは目をそらして唇を噛んだ。