そんな他愛ない会話をしていると、後ろから走ってくる足音がした。
それも、だんだん近づいてきている。
俺はその音が真後ろに感じた辺りで、身体を横にずらした。
「ぎゃっ!」
俺が避けたことによりその飛び付いてきた音の正体である莉瑚は空振り、前につんのめっていた。
「危ないじゃんか、天河!」
タックルに失敗して前につんのめってた莉瑚の手を掴んで転ばないようにしてやったというのに、当の本人は俺にキレてきた。
「それはこっちの台詞だ、馬鹿」
ムカついたから手を離してやると、莉瑚は両手を振り回しながらも転ばないように体勢を保っていた。
「あっはははは、コトリ君の日常は楽しそうだね」
俺と莉瑚のやり取りを見て、アリスさんは楽しそうに笑っていた。
いやいや、楽しくないから!
俺は莉瑚のタックルにうんざりしてるから!
心の中で突っ込むが、口に出さないのは莉瑚が傷付くと分かっているからだ。



