あの少女も同じだ。 言葉巧みに唆され、使われるだけ使われて、不要になったら簡単に捨てられる。 彼のオモチャでしかない。 女──、潮は獣耳の男の言葉を聞きながら目の前の男女を見つめていた。 冷酷な殺人鬼に唆された憐れな少女。 彼女の運命は既に決まっている。 「良い子だ、莉瑚……」 そう優しく少女に囁く男の紅い瞳は喜びに満ちていた。 新しくオモチャを手に入れた喜びに──。