「君の名前は……?」 男は女の身体を向かい合うように反転させると、上を向かせた。 ぼーっとした女の目に男の紅い瞳が映る。 「朽月……莉瑚……」 「僕の名前は切碕。君は今日から僕の仲間だ。良いね、莉瑚……」 女──、莉瑚は男の言葉に頷いた。 彼女にはもう男が大好きな彼の姿と被っていた。 声も眼差しも仕草も全てが大好きな彼に似ていて、堪らなかった。 「….良いね、莉瑚?」 「はい、切碕様……」 有無言わせない言葉に莉瑚が頷くと、男──、切碕は彼女の唇に口づけを落とす。