「中学生までは奏空の家に住まわせてもらった。私がちゃんと働けるようになるまでって、家の電気代とかは払ってもらって…」



「だから、奏空の家族は私の家族同然なの。親が即死、小桃音が危篤状態で、私は意識不明の重体。奏空たちも苦しかったと思うよ?朝笑顔で出ていった家族が、それが最後だったって。」




「……っ……」



「そんな私にね、奏空は言ったんだ……俺は美愛を一人にしない。だから、美愛も俺を一人にすんな、って。離れんな、って。」






……そこまで話終えて、蒼生を見ると、蒼生は顔を歪めていた


当たり前だよね、こんな話されて……



「美愛…俺……」


一言ずつ絞り出すように出した声はかすれていて、私まで辛かった。





「蒼生、無理に聞かなくてもいいからね?私から離れても、私は大丈夫だから!」



必死に首を横に振る蒼生を見て、また話し始めた…