銀古美の板から指を離した。

今までそこに感じていた冷たさがふんわり消えて、
足の指にササクレができちゃったみたいな気分になった。




カウンターが真ん中にあって、それがリビングとキッチンとを隔てる壁になっている。

どっからどう見ても洒落ている室内に、
髪の毛が未だぼさぼさの私が似つかわない。



ピカピカに磨かれたステンレスのカウンターは、私を歪むことなく写す。


それとなく整えようとしたけど、やっぱり手櫛では無理があったみたい。