別にそんなに気にすることないのに。
そう思うけれど、パパはとにかく優しい。
それはもう、どうしようもない位に。
パパがお洒落な階段をゴミ袋と一緒に下って行くのを見て、私は戸を閉めた。
銀色を古くしたような、味のある重い戸。
輝きのない銀色だけれど何処か人に安心感を与えるそれは、元からその色なのだと言う。
銀古美。
それがその色の名称で、パパは絶対このアパートにはその色の戸にしようと思っていたらしい。
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