車から降りてすぐ、アタシは冬空の寒さもいとわず玄関に向かった。
ログハウスの主に会わないことには、約束は果たせないからね。
だけどその主は……。
「――居ないか?」
「うん。明かりがついてないのは地下にいるからかと思ったけど、玄関に鍵が掛かってた」
「そっか」
「約束してたのに……」
「忙しい人だからな、仕方ないさ。この際、この三人でもいいじゃないか。な?」
見るからに気落ちしてるアタシを見かねてか、蒼葵が慰めの言葉を掛けてくれた。
普段は三枚目だけど、こういう優しいところもあるのよね。
だけど、そのせっかくの心遣いにもアタシは、力なく微笑むことしか出来なかった。
本当に残念で仕方なかった。