「それでは、点滴を変えますね」



「ねぇ、今日は僕帰れないの?」



慌ててナースコールを押したこの病室には、すぐに看護士さんが来てくれた。



早く家に帰りたい遥が不安そうに尋ねるけど、看護士さんは曖昧に笑う。




何か、あったのかな。こんなに頻繁に倒れてるから、もしかしたら病状が悪化した可能性も……。



なんて、そんな心配だって拭いきれない。でもとりあえず、看護師さんの言葉を待つことにする。




「もう少しで検査の結果が出るから待っててね」



穏やかな口調でそう返ってはきたものの、やっぱりどこかぎこちない。もう、悪い方向にばかり考えちゃうよ……。



桜庭くんも麻莉奈も同じ気持ちみたいで、みんなで顔を見合わせる。



遥……きっと大丈夫だよね?無責任かもしれないけど、そう信じたい。