最後の種目は学年別リレーだ。女子は終わったから、ラストを飾るのは男子リレー。



「疲れたね」と言いながら麻莉奈と笑っていると。



「え、遥……?」



なぜかリレーのところに遥の姿が見えた。それってつまり、遥が走るってこと?




「琴葉ちゃん?どうかし……」




────バン!




麻莉奈の言葉を遮るようにピストルの音が鳴って、走り出す。次々にバトンがわたる様子に、声が出ない。



ねぇ遥、どうして?走ったりしたら、倒れてしまうかもしれないのに。そんなこと、遥だってわかってるでしょ?




1年4組はトップを走り続けている。そしてそのまま、遥に手渡された。



その瞬間、グラウンドが歓声で沸いた。麻莉奈はハッと気づいたように目を見開いた。