友達ができた。一緒にいたいと思える存在ができた。安心できるような居場所ができた。



私がほしいと思ってたものが、高校に入学して確実に手に入ってる。それは間違いなく遥のおかげだっていうのに。



これでやっていけるかもしれない。そう、思ったのに。



どうして神様は、こんなにも試練を与え続けるの?





「僕達、距離を置こう」




久しぶりに見た遥の真剣な顔。その目は確かにまっすぐで、心から言ってるんだと伝わってきた。



いつかはこうなると思ってた。私も距離を置いた方がいいんじゃないか、って思ってたから。



いつまでもお互いに頼りきりじゃいけない。依存してちゃ、ダメなんだ。




遥はきっと待っててくれたんだよね。私に友達ができて、ひとりぼっちじゃなくなるまで。



私が本当は孤独が嫌いってこと、わかってたから。……本当に、優しいね。



並んだ肩。揃った足。それでも私達の心は、少しずつ離れていった。